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森蘭丸異聞 - RANMARU MORI - 第四章
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数日後、信長は蘭丸を従えて琵琶湖へと馬を走らせた。 日本で一番大きな湖を信長はことのほか気に入っていた。 「見ろ、お蘭。鳥も水浴びをしているぞ!やはり暑い日は水辺にいるのが一番じゃ」 馬を繋がせ信長は子供のようにはしゃぎながら水辺りを歩いた。 蘭丸もそれに続いて琵琶湖へと視線を移す。 湖に反射する光が薄うぐいすの単衣に紺袴の蘭丸をさらに眩しく照らしている。 もと来た道には幾人かの共がいて、その中には馬番に菊千代、そして従者に万見の姿があった。 「上様はご機嫌がよろしいようだな」 ことさら嬉しそうに万見が告げると菊千代はくすりと笑って頷きを返す。 そして万見の手を取って少し浜を下ったところへと導いた。 「・・・・少し、風があるな。上様には夕刻までにお戻りいただかないと」 菊千代の言葉に万見も同意を示す。 二人は少し離れた先の信長と蘭丸を視界に納めた。 「新太郎殿はどうしている?」 「とりあえずは大人しくしているようだ。仙千代の灸が効いたか」 菊千代が思い出したように噴出して笑うと、万見はバツが悪そうに彼のほうを向く。 「そんなにきつく据えてはいない。ただ上様に申し上げる覚悟だと言うただけで・・・」 「それが一番効くだろう?」 この言葉にさらに万見は肩を窄めた。 二人は蘭丸のことで意気投合してから共にいることが多くなった。 もともと才溢れる若い二人が互いのよいところを吸収しあえば、無二の親友に なるまでに時間はかからなかったのだ。 気付けば仙千代、菊千代と呼び合うほどになっていた。 「・・・・仙千代」 ふいに菊千代が万見の手を取り名を呼んだ。 「・・・・・なんだ?」 「以前に、上様の気を惹こうとは思わなんだか?と、尋ねたことがあっただろう?」 菊千代は万見の顔を緩く覗き込むように頬を寄せた。 そういえば以前、万見はまだ親しくなりかけていた頃に菊千代に聞いたことがあった。 上様の寵をいただきたくはないのか、と。 いつも後ろに控え自分や蘭丸の手助けをしているばかりの菊千代に 疑問を持つのは当然といえよう。 「上様にお仕えでき、お守りできるのであれば私は場所を選ばない。 地位なども目には入らない。・・・ただ、お前だけは別だ」 万見の手を握る菊千代の指先がさらに力強く握りこめられる。 どきん、と。 鼓動がいつもより早く感じられた。 「上様よりも私は・・・仙千代、お前を見ていたよ」 かぁ、と万見の頬が赤くなる。 「な、何を突然・・・・!」 あせったように万見が口をはさむと、菊千代は余裕しゃくしゃくにくすりと笑いを漏らした。 「実は蘭丸殿が来るよりも前からお前のことを見ていたのだ。私はそれだけで 満足だった・・・。されど、それを告げておいたほうがいいと蘭丸殿が言うてくれた」 「・・・蘭丸殿が?」 ちらりと、二人の視線が先の信長と蘭丸に注ぐ。 時折二人だけで何を話しているのやらと思えば、そのようなことかと万見は気が抜けてしまう。 けれど状況に変わりはなく万見は赤らんだ顔を押さえることはできなかった。 「私の一番は上様だが、二番目以降すべては仙千代に捧げよう」 いつもとは少し違う様子の菊千代に万見は戸惑いを覚えながらもぺしり、と額を打つ。 いて、と声があがってようやく菊千代は万見を解放してくれた。 「・・・・私の一番も上様じゃ」 迷いのない強い視線で万見は菊千代を見た。 その言葉に菊千代も満足したように頷きを返す。 「・・・したが、二番目で満足するならば・・・菊千代を、想ってもいい」 これは菊千代には予想外の言葉だった。 照れたのか万見は背を向けてしまったが、その肩を掴んで己のほうへ向け なかば無理やりに接吻する。 「・・・・!ん・・・・!」 じゃり、と足元の砂が音を立てた。 信長とはまた違う、激情を持った菊千代の口付けに万見は胸倉を激しく打たれた気がした。 「・・・・こ、このような!上様も従者もおられるところで・・・!」 接吻から解放された後、万見は小声で菊千代を叱りつける。 「ははは・・・すまなかった。だが、我慢できなかった」 あっけらと告げる菊千代にますます万見の顔が熟れた。 「・・・もう知らぬ!」 そう言って万見は元いた場所へと歩き出す。 その背を追うように菊千代が踵を返した。 なにやらいろいろと言い訳している様子だったが、浜には再び静寂が訪れた。 「上様、これは何でござりまするか?」 蘭丸は好奇心旺盛に琵琶湖の生物を指差して尋ねた。 さきほどから蘭丸が尋ね、信長が答える応答会が開かれている。 蘭丸は尽き果てぬ好奇心で胸をいっぱいにさせて楽しそうに信長との時を過ごしていた。 それは信長も同じで素直な蘭丸の様子を嬉しそうに見つめていた。 「のう、お蘭」 ふいに呼び止められて琵琶湖へ向けていた視線を信長へと移す。 その動作で蘭丸の髪を束ねる朱栖の組紐がしゃなりと鳴った。 「やはりここまできたのならば、水浴びしたいものよの?」 言うが早いか信長は蘭丸の胸をとん、と押して体勢を崩させた。 「・・・!」 蘭丸の身体は弧を描くように宙を掬い琵琶湖に水柱を立てて落ちていく。 この音を聞きつけて従者が走り寄ってきたが、信長は自らも琵琶湖へと飛び込んでしまう。 「よい、楽しみの最中じゃ」 下がれ、と視線が告げると従者たちは一礼してから持ち場へと戻っていった。 残されたのは琵琶湖でしりもちをつく蘭丸と信長、二人。 「う、上様っ・・・!」 浅瀬のおかげで股までしかない水に全身を湿らせながら蘭丸は信長を睨んだ。 「はっはっは、油断したな?お蘭」 言われてつい恥ずかしくなった蘭丸は水を吸って重くなった袖を返しながら立ち上がろうとする。 信長はそれに手を貸す振りをして蘭丸を抱きすくめた。 「お蘭・・・そなた、つらいことはないか?」 「・・・・・上様?」 「つらいことがあるのならば、わしに話してはもらえんか。お蘭が一人で 苦しんでいるのは、わしには耐え難いことだ」 信長の言葉に蘭丸は目を丸くした。 たぶん、知っているのだ小姓同士の諍いを。 そしてこうも下手に出て蘭丸のことを気遣ってくれている。 「・・・いえ、上様。蘭丸は上様がいらっしゃれば何もつろうことなどござりませぬ。 本当でございまする。蘭丸は上様さえいれば幸せでございます故」 「・・・・・そうか」 信長はそれ以上追及してくることはなかった。 人払いをしてわざわざ話しやすい状況を作ってくれた信長の心遣いに蘭丸は胸を熱くする。 「お蘭、愛い奴よ・・・」 言いながら信長は蘭丸の袴へそっと手を差し込んだ。 下帯の上から自身をなぞられびくんと蘭丸の背が揺れる。 「う、上様・・・?」 さらに空いた手で上衣をはがされると、濡れた内衣が胸元にぺったりと はりつき桜色の乳首が覗く。 それを舌先で嬲りながら信長は蘭丸の袴を脱がせ岸に投げ捨てた。 「先ほど、楽しみの最中じゃと申したろう?そなたはわしをうそつきにするつもりか?」 こういわれては蘭丸は黙るしかなかった。 本当は白昼にこのような場所でする行為ではないと、羞恥心から嗜めるつもりであったのに。 「ほんにそなたはわからぬ。わしからの褒美はいらぬと申す。何かあればわしに 言いつければすむのにそうしようとはせぬ。この天下の信長ともあろうものが、小姓の ひとりに気をもんで右往左往させられておる」 「上様、それは・・・ぁ、あんっ・・・」 信長が蘭丸の胸元を肌蹴させ、かり、と乳首を噛んだ。 うっすらと充血していくそれを見ながら信長は蘭丸を岩肌へと押し当てる。 「しかもそれがこうも楽しいとは。そなたの一挙一動に心躍らされる。 このようなことは、初めてじゃ」 着物の裾をはらわれ白い太股が露になると、信長は下帯を指でくん、と引いてすこしずらした。 反射的に逃げようとする蘭丸の尻を指先が撫でるとその隙間にするりと這わせる。 「あっ、ぁ・・・」 あれから信長は風呂に入るたびに少しづつ蘭丸の菊門をほぐすよう丁寧に愛撫し続けた。 そのせいかふちを撫でるだけで快感が蘇るのか蘭丸は足元を震わせている。 「・・・ずっと傍におれ。わしの傍に、ずっとな」 ちゅう、と音をたてて胸元を吸いたてながらもう一方の手が布の分け中から 零れた蘭丸の性器を握った。 「・・・・・!」 蘭丸はぞくりとした感覚に指先を戦慄かせながら同じように濡れた信長の身体を抱きしめる。 薄く開いた唇は浅い呼吸を繰り返しどこか扇情的に見えた。 「はい・・・はい、上様・・・ずっとお傍におりまする。蘭丸は信長様のお傍に・・・ぃ、あっ!」 身をよじった蘭丸の足に当たった水がばしゃりと跳ねる。 下帯をはめたままで前も後ろも長い無骨な指で攻められ、蘭丸は息を 乱しながら摩羅を膨らませた。 「お蘭よ、そなたの淫なるところが陽に当たって艶めいておるぞ」 そんな言葉が余計に快感を引き起こす。 蘭丸は弄られて堅くなる自身に目をやることはなく、ひたすら羞恥に耐えながら 信長の命を待った。 信長の許しがなければ彼の摩羅に触ることは出来ないからだ。 しゅっしゅっと摩擦する音が水音と混ざり意識を混濁させる。 「・・・うえ、さま・・・ふぅ、・・・んん・・・」 鼻先から甘い声が漏れた。 信長の指がふちから中へと侵入してきたのだ。 水に濡れた指は幾分か楽に秘部を指しぬいていく。 「もう、待てぬ・・・・・・今日はそなたの内に入らせてもらうぞ」 言いながら探り当てた蘭丸の性感帯をぐり、と指の腹で強く攻めた。 「ああっ!・・・・は、い・・・」 蘭丸は更に自分の中心に熱が高まっていくのを感じながら肯定の返事を返した。 とうの昔に覚悟していたことだが、いざ結ばれるとなると蘭丸は動悸を抑えることができない。 信長の大きさは知っていたしその切っ先が自分の中でどう蠢くのかは彼の指が教えてくれた。 怖いのは痛みではなく快楽に溺れることだった。 「お蘭よ、今日は何かをしようとせずともよい。わしに身をまかせるのじゃ」 言われ、蘭丸は呼吸を深くし全身から力を抜き始めた。 こんなにも信長は自分のことを思ってくれていると思うと蘭丸は身の内に甘い疼きを感じられる。 蘭丸はそのまま信長の指に踊らされるように身をくねらせ湖面を弾かせた。 「・・・・っ、・・・ぁ・・・ん!」 今まで感じたことのない心臓の躍動。 蘭丸の恥らう表情は信長の中心を堅くさせた。 再びしゅる、と衣擦れの音が響くと前に垂らしてある下帯の布を取り去る。 信長の手によって暴かれた秘部は彼の指を中ほどまで食んで離しはしない。 「お蘭は才があるぞ」 「・・・な・・んの、で・・・ございまする・・・かっ、・・・ぁ」 「これの、じゃ」 言いながら信長は突き立てていた中指をぬりゅっと引いて、かわりに 人差し指を摩擦するように差し込んだ。 「ああうっ、く・・・ぅ・・・!」 びくびくっと背が跳ねると、蘭丸は予期せぬことに達してしまった。 尻奥を突き上げる指先に強制的に性器が反応したせいだ。 「あっ、・・・あ・・・」 蘭丸は恥ずかしくて顔を伏せた。 主人よりも先に出した上、それを殿の内祇にかけてしまったのだから仕方がない。 しかし信長はこれを待っていた。 一度快感を極め放心した身体は変な力が入ることなく信長の砲身を受け止めるだろう。 「お蘭・・・愛しい奴よの・・・」 まだ悦の余韻に浸る蘭丸の太股を掴むと、信長はそれを上へ掲げた。 片足だけ空を切ったことで水分を含んだ内衣の裾が脇へ滑る。 蘭丸は収まらない荒い息を吐きながら信長を見た。 瞬間、目の前の信長が自分のほうへ進んできたと思うと、下半身に激しい衝撃を感じる。 「・・・!!・・・ああ、っぐ・・・ぁ・・うう」 無我夢中で手に掴んだ布を引っ張った。 その布が信長の上着であったことも気付かないほど、熱量と痛み、ざわめきが 全て入り込んできたのだ。 信長は今まで突き入れていた二本の指を添えにして、先端を捻り込ませた。 そしてぐぐいっと腰を進めると代わりに指を引き抜いてゆく。 入り口を広げられた蘭丸の菊門はぎちぎちと悲鳴を上げながらも 信長の亀頚を飲み込んでいった。 「ひ、ぅ・・・ん、ん・・・ふっ・・・」 浅い呼吸を繰り返してどうにか尻内の異物を受け入れようとする。 しかし慣れない身体は必死にそれを押し出そうと強く強く締め付けてしまう。 「お蘭・・・大丈夫じゃ、無理に動かすつもりはない」 ぽん、と背を撫でるように信長が片手を添えた。 蘭丸はそれが嬉しかった。 信長ならば、この信長ならば自分の全てを捧げ仕えたいと。 そのまましばらく二人は水面を揺らすことなく琵琶湖に身を沈めた。 「・・・・どうじゃ、お蘭。わしには慣れたか?」 信長に尋ねられ、確かに余裕のでてきた蘭丸がこくりと頷きを返す。 「とても・・・・熱う、ございますっ・・・・上様っ・・・」 もじ、と身を捩ると信長が小さく片目を細めた。 それが愛おしくて、蘭丸はまた秘肉を窄めてしまう。 「これ、お蘭・・・かように締め付けたら出てしまうではないか」 信長が叱りの言葉を、けれど優しく蘭丸に告げた。 けれど蘭丸にはどうしたら上手に出来るのかがわからない。 戸惑っていると信長は蘭丸のもう片方の足も持ち上げた。 自然と背が岩につき、そこに体重がかかるとずん、と腰にさらに深く えぐられる感覚が立ち上ってくる。 「ああっ、あ・・・上様ぁ・・・」 知らずに甘えた声音が出てしまい、蘭丸はもう恥ずかしさで気が狂ってしまうかと思う。 そんな蘭丸に信長は甘く口付けた。 そして堰を切ったように激しい抽挿を開始する。 「ぁあ、う・・・あ!あ!・・・ぁああっ・・・」 指とは比べ物にならないほどの質量に攻め立てられ、蘭丸の前立腺が刺激される。 すると触れてもいないのに下股の肉棒は堅くそそりたってきた。 「ああっ・・・ああっ、・・・・ん、ああっあぁ・・・」 口を閉じている暇がないくらい信長は腰を揺さぶり己の屹立を捻じ込んでくる。 ぐちゅり、という音と一緒に水がばしゃばしゃと跳ねる音が響いた。 信長は自分の腹に触れてきた勃起しかけの蘭丸自身を左手で愛撫し始めると さらに深く亀頭を穿っていく。 「はぁ、ああっ・・・、あー!あぁ、はあっ・・・!」 蘭丸の胸が躍った。 今日、二度目の射精を果たしたのだ。 「・・・・!・・・ぬ、う・・・」 衣を掴んでいた蘭丸の手がずるりと落ちると、信長もまた蘭丸の内に精液を放った。 二、三度塗りつけるように性器を出し入れする。 すると先ほどとはまた違う、ぬちゅ、ぐちゅっという淫猥な音が聞こえてきた。 蘭丸は完全に放心し息を乱しながらうつろな視線をさまよわせている。 その身体を大事そうに抱え上げると信長は岸へ上がった。 すぐさま万見が着替えを持って傍へと侍る。 「失礼いたしまする」 その声にようやく蘭丸は意識を戻した。 慌てて信長の腕から降りるが濡れた衣は重く、しかも腰に力が入らず 蘭丸はしりもちをつきそうになった。 それを後ろから支えてくれたのは菊千代だ。 菊千代は蘭丸の乱れた下帯をすばやく直すと、太股に零れた信長の精液を拭った。 「お蘭、わしの馬に乗っていけ。城に戻ったら風呂に入ろう」 そう言うと万見の世話で服を着替えた信長がまだ濡れたままの 蘭丸の身体を再び抱き上げる。 すべてを承知したように菊千代がその蘭丸の肩へ上衣を被せた。 「上様・・・蘭丸、自分で手綱を掴みます故・・・」 「わしがやりたいのじゃ。それとも信長の頼み、聞けぬか?」 蘭丸は再び黙ってしまった。 信長がわざとそう言っているのはわかっているのに、反論すべき言葉が 見つからないのだ。 そんな二人の様子を万見も菊千代も微笑みながら見つめていた。 |
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