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森蘭丸異聞 - RANMARU MORI - 第ニ章
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「上様、なりませぬ!このような格好、臣下に示しがつきませぬ!」 一方、蘭丸は必死だった。 自分の仕える主君がいかに破天荒であっても、それなりに秩序は守らねばならない。 小姓頭を差し置いて自分と信長二人だけで入浴など常識では考えられなかった。 「よいよい。わしがよいと言ってるのだ。・・・・それよりお蘭、そなた何故、わしが 眠った後に足を引かなかった?他の者はみな、わしが寝たら違う仕事をこなしておるぞ」 信長の言葉に蘭丸は再び項垂れた。 叱られたと思ったのだ。 違う仕事もせずただ信長を見ていた自分を。 「私は・・・上様にお仕え始めたときから、片時も傍を離れず上様をお守りする覚悟でございます。 ・・・その・・・そのことしか、頭に上らず・・・・・」 蘭丸の語尾はいいにくそうに消えていった。 「ほう?痺れた足で敵と戦うというのか?」 「・・・あっ!」 思わず蘭丸の口から声が漏れた。 それをきっかけに信長は大きな笑い声を響かせる。 「はっはっは!・・・ほんに不思議な奴よの。お蘭、そなたには何でも許してしまいそうじゃ」 その言葉に蘭丸の唇は小さく尖った。 「・・・・・上様は、思っていたよりも意地悪でございまする」 そんな純粋な蘭丸に信長は愛しむ気持ちを押さえられなくなっていた。 風呂場の前で足を止めると蘭丸をようやく腕の中から下ろし、唖然としていた 小姓たちに顔を向ける。 「菊千代、新太郎、これからわしの風呂はすべてお蘭に任せることにする。よいな?」 「はっ!」 恭しく頭を下げた二人の顔は万見同様きつく眉根を寄せていた。 信長は蘭丸を連れて二人だけで湯殿に入ると、自分だけさっさと服を脱いで湯船に身体を沈めた。 「どうした、お蘭。はよう入れ」 しゅるりと、静かな音をたてて衣服を肌蹴ながら蘭丸は下を向く。 信長の声は聞こえていたが”早く”は出来なかったのだ。 「上様、さきほどのお言葉は・・・私は新参者なればこのような待遇はいただけませぬ」 風呂番は通常二人か三人で勤め、常に誰かが一人湯殿に侍り一人は湯船に共に浸かった。 蘭丸が先ほど言われたような一人だけの風呂番は、すなわち寵愛を指す。 くだけて言えば特別待遇のことだ。 蘭丸は他の小姓たちのことを考えると気が重く、長い髪を結い上げる作業もおぼつかない。 「・・・・わしがそうしたかった。それではだめか?お蘭」 ようやく下衣姿になった蘭丸が湯船へ近づいた。 「だめでは・・・ござりませぬが・・・」 蘭丸は口ごもったまま話題を変えようと信長の入る湯船のへりに手をかけ入ろうとした。 が、そこで信長に止められてしまう。 「お蘭、わしがすべてを脱いでいるというのに、お蘭は下帯はおろか下衣すら脱がぬつもりか?」 「・・・・・・っ!」 瞬間、蘭丸の頬がかぁ、と紅く染まった。 言われてつい、まじまじと見つめてしまったのだ。 信長の、股間を。 自分とは質量も色も違う大人のそれを見たのはこれが初めてだった。 蘭丸は慌てた様子で視線を逸らし、言いつけどおりに全てを脱ぎさって湯船へと沈んでいった。 「・・・・・のう、お蘭」 そんな蘭丸の様子に、信長は不満そうな声を上げる。 視線の先で蘭丸は信長に背を向ける形で広い湯船のはしっこに座っていた。 「なぜわしに背を向けておる」 「恐れながら・・・・恥ずかしく、ございます」 人の裸を見るのも初めてだが、人に裸を見せるのも初めての蘭丸だ。 信長は湯気に見え隠れする蘭丸の結い上げて晒された項を満足げに見つめながらゆっくりと 彼に近づいていった。 「床の練習をした相手にも恥ずかしかったのか?そなたはわしの小姓だというに、 初ては何も出来ぬぞ?」 「・・・・蘭丸は、上様が初めてでございまする」 「なに?」 信長は我が耳を疑った。 小姓といえば主人を手間取らせないため、床の作法を一通り学んでくることが多い。 特に蘭丸などは小さい頃から信長に仕えるために育てられたのだ。 小姓としての作法を知らぬはずがないと、信長は尋ね返したのだ。 「上様にお仕えすべく定められた幼き頃、蘭丸は心に誓いましてございまする。 蘭丸は生涯・・・上様お一人と。それを貫いておりまする」 「・・・・・作法は、知らぬのか?」 「自分で、学びました故・・・・その、至らぬ点は多いかと存じますれば、 この蘭丸何に先駆けても学ぶ覚悟にございます」 信長は先ほど感じた愛しさがさらに膨らむのを感じた。 信長も初めてだったのだ。 自分が最初の相手だという小姓は。 「可愛い奴じゃ、お蘭」 言いながら、信長は蘭丸の背後からそっとその身体を抱き寄せた。 「上様・・・・」 蘭丸はさらに羞恥に頬を染めた。 さきほどから心の臓が飛び出るほどに早く唸っている。 今まで会ったどんな人物にもこれほど胸が高鳴ることはなかった。 「お蘭、洗うてくれるか。これから先、お蘭が城を持つまで他の誰にもさせぬ故・・・」 信長は白く細い蘭丸の腕を取るとその手の甲に口付け、そっと自分の股座へと導いた。 「あっ・・・!」 蘭丸の唇から小さな声が漏れた。 指に触れた他人の温もりは想像していたものよりも遥かに熱い。 信長がくれた言葉を噛み締めながら、蘭丸は向けていた背を翻して信長のほうへ向き直った。 「失礼、致しまする」 そう告げると蘭丸は両手を信長の摩羅に添え掌で擦るように洗い出す。 湯が冷めぬようにと外から新しい熱湯が注ぎ込まれる音がさらに蘭丸を煽り立てた。 「・・・・・・・・」 強すぎないだろうか、弱すぎないだろうか、と。 蘭丸は気を使いながら時折信長の顔を見上げた。 信長は目を細めだんだんと荒いでゆく呼吸に胸を上下させている。 初めての大人の男根は蘭丸が想像していたよりも大きかった。 「・・・・・このままでは湯だってしまうな」 そういって笑うと信長は立ち上がり洗い場へと出る。 ざぁ、とお湯が散って、蘭丸もその背に遅れないよう洗い場へ足をついた。 「失礼つかまつります、上様」 蘭丸は手ぬぐいを掴むとそこへ石鹸を擦りつけ柔らかな泡を作り出し信長の背へ当てる。 先ほどとは違い少しだけ力を込めて背を、胸を、足を、洗っていった。 信長はそれはそれは気持ちよさそうに目を閉じ、蘭丸が事を終えるのを待った。 再び、ざぁ、とお湯のかかる音が響く。 泡が流れ爽やかな芳香が鼻をついた。 「上様、終わりまして・・・・ぁ!」 声をかけた蘭丸をふいに信長が抱き寄せ、風呂椅子に座る自分の太股の上に腰を下ろさせる。 「なかなかに上手であった。褒美を遣わす」 言いながら信長の片手が蘭丸の中心に触れた。 「何がいい?馬か?菓子か?刀か?なんでも、そなたがいいというものをやろう」 「・・・ッ、ぅ、上様・・・・」 蘭丸がいやいやをするように首を左右に振ると、信長はしたりという表情で際どく 蘭丸のふちをなぞってくる。 やにわに玉袋を揉みしだかれ何度も竿を指の腹で弄られた。 「もっとわしに顔を見せろ、お蘭」 乞われるままに蘭丸は信長の肩へ横顔を当てちらりと顎先を見上げる。 そこには花開く蕾の美しさがあった。 うっすらと浮かべた涙が長い睫を縁取り、桃色に染まった唇は僅かな開きで呼吸を整えている。 湿気を含んで重くなった黒髪ははらりと落ちて上気した胸に絡んでいた。 「・・・・・ぅ・・・」 信長の低い声が湯殿に響くと、蘭丸の尻肉に熱く尖った肉が触れた。 「・・・・!」 それは確かめるまでもなく信長の猛った摩羅であった。 菊門に触れる浮いた血管、それを実感させるほどの彼の質量は蘭丸の心に恐怖のタネを撒く。 それでも蘭丸は意を決して腰を浮かせた。 「・・・よい、今日は」 そういって信長は蘭丸の身体を反転させ己と向き合うように再び座らせる。 「触れるだけで、よい」 信長の手が蘭丸の手を屹立した自身へ導き、促すように重ねた手で揺さぶった。 その意に気付いた蘭丸は唇を震わせながら細い指先を熟れた肉棒へ吸い付かせ 器用に動かしてゆく。 「・・・・・二人で共に、出そうぞ・・・」 信長が笑って告げると、蘭丸の切っ先に爪を立てた。 「・・・あっ!・・・ぁっ、ぁ・・・ら、蘭丸・・・持ちませぬ・・・」 腰ごと揺さぶられて背を仰け反らせる。 雄臭い精液の匂いと、桜の移り香が、信長の鼻腔に触れた。 「愛い奴よ、愛い奴よ・・・」 うなされたように何度も言葉を紡ぐと、信長は自分の手を緩め蘭丸が作り出す 淫猥な感覚に集中する。 膨張した性器からは白い露がしたたり始めた。 「う、うえ・・・さま・・・・いきまする、っ・・・も、もう・・・」 蘭丸の声に合わせて信長は搾り出すようにぐっと掌を握り締めた。 「ああっ!!・・・ぁ、ああっ」 蘭丸の身体がびくりっと大きくうねり、信長の摩羅を揉む手に力が入った。 それを機に信長もまた頂点へと達する。 「・・・・く、ぅ・・・」 互いの精液が胸元や腰をしとどに濡らした。 蘭丸も信長も大きく呼吸を繰り返し互いを見つめている。 なんともいえないこの充実とした余韻に感じ入っているのだ。 「・・・上様、また洗い直しでございますな・・・」 まだうっとりとした様子で、しかし口調だけはしっかりと蘭丸が零した。 それが妙に可笑しくて信長は目を細める。 「信長を叱る気か?ならば、次は洗う前にしよう」 熱い波を引かせるがごとく、信長の手が穏やかに背を撫でてくれていることを 嬉しく思いながらも、蘭丸はそういうこととは違うのだが、と頭の中で呟きを漏らした。 |
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