絶対無敵に恋人志願


Vol.6 Devilish temptation


美しい悪魔が、壮絶な色気を纏い甘美な誘いを掛けてくる…。
腰を蠢かせながら、紅い舌をチラリと覗かせ艶やかに声を上げ、佐渡里に
手招きをする。“さぁ、こっちの水は甘美(甘い)よ。”と。
冷静になろうとも、彼に捕らえられている猛った己の肉棒が枷になり、
佐渡里の理性を奪っていく。
どちらのものとも分からぬスペルマに塗れたそれは彼の巧みな手技に陥落し、
為されるがまま天に向かい熱り勃っている。
彼に掴まれた己の指はしっとりと濡れ、熱く絡み付く内襞に呑み込まれていた。
その蠕動運動は佐渡里の指を奥へと奥へと呑み込むが、熱く荒い呼吸による
括約筋の蠢きがそれを生理的に許さず、排出しようする。
指に感じる熱や動きが、佐渡里に女とのセックスを連想させた。
しかし、それらより強い締め付け、微細な蠢きに佐渡里はゴクリと生唾を飲み込む。
佐渡里の雄の変化に気付いた悪魔は、口端から透明な蜘蛛糸を溢れさせ
うっとりとした瞳で淫猥な言葉を吐き出した。
“突っ込んで”と。
自制も事切れ、とうとう佐渡里は悪魔に陥落する。
この美しく淫らなサキュバスに。
彼を得ることが出来るなら、己の魂を奪われることも厭わない…そう思わせる
壮絶な色気と絶対的支配力が彼にはあった。
自分も早く彼の中に入りたい…。
彼の乱れる姿をもっと見たい…。
佐渡里は、されるがままだった己の指先を自らの意思で蠢かしはじめた。
太く厳つい関節が、グイ、グイと彼の奥へと侵入を果たす。
中指、人差し指、薬指…徐々に増え、拡げられ露になる内襞。
バラバラに指を動かしつつ、彼が一番イイ声をあげる箇所を探る。
グチュ、グチュッと濡れた音が耳に衝く。
甲高く湿った声がひっきり無しに上がり、佐渡里に跨った彼の下半身は、
己の体重を支えていられなくなっていた。
佐渡里は空いていた片手で彼の尻肉をギュッと掴み、乱暴に揉みしだく。
「…欲しいか?姫嶋。」
腰を揺らめかせ短く喘ぐ彼に、下から問いかけた。
クッと低く喉奥で笑いつつ。

佐渡里の中で、残虐な雄の血が蠢き出していた。
己の腰をグイグイと突き上げ、お互いの屹立をヌルヌルと擦れ合わせる。
そして佐渡は、もう一度彼に問いかけた。
「…欲しいか?コレが。」
佐渡里の問いかけに、生理的な涙を零す彼は虚ろな瞳を瞬かせつつ、
コクンと大きく喉を鳴らせ応える。
“欲しい、入れて”と。
その刹那、己に乗り上げていた細腰を掴み、佐渡里は体勢を入替えた。
パサリとブルーの波間に、柔らかそうな髪が漂い白い裸体が浮かび上がった。
荒い呼吸を物語るように上下に揺れる紅く熟れた乳首、うっすら浮いた
アバラの下に見える腹筋、そして白濁でヌレヌレと光る淡い茂み、
そこから顔を出し解放をせがみ涎を垂らすペニス。
全身が佐渡里に攻め立てられたがっているように見えた。
そして淫蕩な微笑みを浮かべ弧を描く口唇に、初めて佐渡里は契約の口付けを
落とし、彼の片足を担ぎ上げつつ秘部に己の猛った肉棒を押し付けた。
彼の秘口は口をパクパクと開き、佐渡里の先走りをチュッと吸い込む。
ブルッと武者震いに身体を小さく震わせ、佐渡里は彼の中へと侵入して行く。
「あっ!――ああぁっ!」
薄いピンクに染まった裸体を大きく反らし、彼は大きな声を上げた。
温かく湿って心地のよい内襞、程好い締め付けと細かな蠕動に、己の全てを
ぶち撒け、乱暴に突き動かしたい衝動を必死に堪え、徐々に、徐々に侵略を果たす。
うっすら額に滲む汗、止まらぬ高い声に思わず痛いのだろうかと佐渡里は、
彼を心配し、彼のペニスにそっと指をかけた。
ピクン!と大きく震え涎を流しているソレは、彼の快感の強さを示していた。
ふと頭の中を過ぎる疑問は、佐渡里を残虐な欲望で埋め尽すに至らせる。
突如奥まで深く突っ込んだ肉棒を乱暴に引き抜き、佐渡里は彼の身体を裏返した。
グイと尻肉を掴み彼を膝立たせ、躊躇なく彼の秘口に肉棒を衝き立てていく。
乱暴な挿入に、その衝撃を堪える為か、彼の身体に力が入る。
ギュッと痛いくらいの締め付けに佐渡里はクッと息を飲み、白く揺れる尻肉を
パシッと叩き、振り乱された髪をギュッと掴んで細く長い首を反らせ引き寄せた。
痛みと苦しさに彼の美しい顔が歪む。
その表情の中にも官能の欠片を見て取り、己の顔を彼の耳朶に寄せ
吐息混じりに囁いた。
「…姫嶋。そんなに締めンなよ。食い千切る気か?俺を…。」
ククッと喉奥低く笑うと乱暴に引き寄せた顔を放り、ただ白い尻肉へと肉棒を穿った。
一瞬高い声をあげた彼はそれでも嫌がることなく、されるがまま佐渡里の
肉棒を飲み込み腰を振り続けていた。
彼の尻から引き摺り出した佐渡里のソレが、彼の内襞を捲り上げる。
彼の中の熱さを物語るようなその深紅に、再び滾ったソレを撃ち込み、奥を
探りまた引き抜く。
「エロいなァ〜、姫嶋。俺のを銜えてアンアン善がりやがって。美味いか?俺のは。」
根こそぎ持っていかれそうな感覚に低く呻きつつ、突刺したペニスを彼の中で
グルリを廻す。
ハアと大きく息を吸い、彼は苦しげに形の良い眉を顰めた。
白く、傷ひとつ無い美しいこの身体。
幾人の男がこの悪魔に魅入られ、通り過ぎて行ったのだろうか…。
浮かんでは消し、また浮かんでは振り消すその疑問は、佐渡里の優しさをも
侵食し蝕んでいく。
自分は何処まで酷い男に成り下がるのだろうか?
何故それを不快と思うのだろう…?
――分からない…考えられない!
今はそんな己の中の疑問など、どうでもいいと思ってしまう。
ただ少しでも早く、この感情と情欲の嵐から逃れたかった。
佐渡里は細腰を掴んでいた片手を伸ばし、彼の乳首を転がす。
すると狂ったように甘い嬌声を放つ彼に、言い表せぬ哀しさと憤怒を覚えそれを
ギュッと指先で強く潰すかのように抓った。
乳首の痛みと穿たれる快感に彼の表情が恍惚とする。
もっと、もっとと、せがまれ強く撃ち付ける。
口付けを求め反り返る顔を、佐渡里は痛い思いでシーツに沈ませ、
一層強く深く最奥を抉っていく。
抓った乳首を限界まで引っ張り、弾くように放った。
甲高い叫びと共に「イキそう…ねぇ!――ァっ!イ…クッ!」というくぐもった
声が耳へと入ってくる。
咄嗟に彼の滾ったペニスを促すように擦り上げた。
小魚が跳ねるように大きく小刻みに震えると、彼は佐渡里の手の中に熱い
飛沫を吐露させる。
同時に、秘口の強い蠕動と締め付けに呑み込まれる佐渡里は、己のスペルマを
彼の体内に飛散させた。
ぅっと小さな呻きを上げ、ぐったりとシーツへ倒れ込んでいた彼の横へと
身体を置いた。
ドクドクッと己の中から吐き出される膿を、彼へと注ぎ込む。
こんなに穢れた感情でしたセックスは初めてだった。
ただ快感を貪り、相手に叩き付けた獣のセックス…。
後悔なのか何なのか見当もつかぬ苦い思いを全て彼に注いだ。
ふぅと小さく息を吐くと佐渡里は、サイドボードに手を伸ばし、彼が放った
飛沫を拭い、彼に放った己のソレをも軽く拭い清めた。
彼は放出と同時に意識を手放したようで、まだ僅かに上気した頬のまま
ぐったりと横たわりピクリとも反応を示さなかった。
それが佐渡里には有難かった。
彼をそっと抱き寄せ、汗で額に張り付いた髪を指先で払い、静かにキスを落とす。
自分の中にあった真っ白で眩しい姫嶋を汚してしまった気がした。
「…優しく出来なくて、ゴメンな…。」
彼に届かぬだろう言葉を呟き、混乱のまま佐渡里もいつの間にか意識を手放していた。
悪魔の誘惑に負けついうっかり契約にサインしてしまった佐渡里は、
それがまだ有効であることを知らなかった…。




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