<神様なんて大嫌い>

STAGA 31 君の過去すらも僕のものにしたいから


お互いに抱きしめあった。
それは確かに永遠を思わせるようでひどく心地いい。
でも、俺は気づいてしまった。
いや、最初から気づいていたんだが見ないようにしていたんだ。

「・・・・・・・・・・あのな、樹」
俺は覚悟を決めて口を開く。
大変言いにくいことだが仕方ない。
このままじゃ収まりが悪いのも事実だ。
「何だよ、加納さん」
「・・・・・お前、さっきからずっと股間勃てっぱなしなんだが」
俺の言葉に、樹の顔があたふたと慌て出した。
こんだけのド修羅場やっておいて今更そんなこと切り出すってのもナンセンスな気がするけど。
一度気になったら視線が外せなくなってるんだよな。
そう思いながら俺は再び樹の四肢を拘束する革を解く作業を始める。
「これは・・・アイツが、その・・・セックスドラッグ使ってきて・・・ローターとか突っ込まれたら
そりゃ勃起するだろ、ってもんで・・・・・生理現象なんだから、しょうがないだろ」
樹は拗ねるように眉根を寄せて唇を尖らせた。

・・・おかしいな。
やけに樹が可愛く見えるんだが。
これも恋愛ってやつの相乗効果か?

・・・まぁ、それはどうでもいい。
俺は全部の戒めを解いてやると今度はマジマジと樹の股間を見つめた。
さっきの言葉に聞き捨てならない単語があったからだ。
「ローター突っ込まれた?・・・・・ああ、本当だ」
ゆるゆると、樹の下股から伸びるコードを発見する。
それと同時にムカムカとしたもんが腹の中に湧き上がってきた。
にゃろう、俺がまだ手を出してないってのに、さんざん樹の痴態を拝みやがって。
「なぁ・・・・ソレ、俺が抜いていい?」
指先でローターを示す。
ようやく解かれた手首をさすりながら樹がぎょっとして目を剥いた。
「何言ってんの?アンタ。・・・・・・まだセックスドラッグの効果が切れてないんだから、
下手に触られたら感じちまうんだけど」
溜息と共に樹の顔が呆れたような表情へと変わる。

あー、もう。
だから。

「・・・・・感じて欲しいってのは、ナシ?
ローターなんか引き抜いて、代わりに俺のモン突っ込みたいんだけど」

・・・・・・・俺の言葉に、樹の顔が僅かに赤くなった。
ドラッグのせいなのかわからないけれど、今日の樹は表情豊かだと思う。
樹は少し熱い吐息を吐き出すと肯定の言葉の代わりに足を少し開いた。
両手を自分より少し後ろについて、曲げた膝をそのままにシーツの上をかかとが滑って
足が開かれた姿は、想像していたよりももっと俺の感情を煽ってくる。
おかげで俺は少し余裕のない手つきで樹のペニスに触れて、濡れたそれを握った。
「っ・・・・・・」
樹が俺の耳元で息をつめる。
喘いでいるわけでもないのに、たったこれだけの息遣いで俺の血が逆流しそうになった。
本当にもう、身体は心より正直だ。
「・・・樹の、形がいいな。綺麗に反ってて・・・すごくイヤラシイ。他の誰より、下半身にくる」
囁きながらくびれの部分を親指の腹で擦ってみる。
目の端にあった樹の指先がぴくん、と震えた。
「・・・・ばっか・・・・・、ッ・・・・・・他の男と比べんなよ・・・ぁッ・・・」
樹の言葉に俺は笑いながら亀頭を握ってやった。
悪戯半分、本気半分だ。
俺は樹と寝たことはないから、樹がどこで感じるのか確かめて理解するしかない。
「しょうがないだろ?習性みたいなもんなんだから。それに・・・・・」
言いかけて俺は少し背を伸ばした。
そして目を瞑って刺激に耐えていた樹の額へと唇を寄せる。
体温の上がった樹の皮膚は、じん、と唇に所有の烙印を押すかのように熱い。
その感触に樹の睫が押し上げられ、すぐ間近で俺と樹の視線が交わった。

「いろんな男と寝てきた俺達の過去は消えやしない。
だったらその過去ごと全部、俺達の間で共有すればいい」

俺の言葉に樹は目を伏せて頷いてくれた。
これから俺達は始まる。




だから今、二人の熱を交換するところから始めるんだ。





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