海辺に面した高層マンションが立ち並ぶ一角の室内で、新米看護士である久世要は
目の前の夜景に感嘆の息を吐き出した。
あまりに見事な夜景とマンションの家具たち。
夜景の先のほうにはきらびやかな光を放ちながらゆっくりと回る大きな観覧車が見える。
まだ看護士になりたての要では決して手にいれることの出来ない高級マンションだ。
家具は置いてある数は少ないものの、厳選して手に入れた感がひしひしと感じられる逸品ばかりで
やはりこれも持ち主のセンスを表している。
そう、このマンションの主はつい先日晴れて恋人同士に昇格した要のパートナー、
泌尿器・肛門科の医者である神谷貴史だった。
その神谷はマンションに戻ってくるとすぐにコーヒーを入れにキッチンへ行ってしまった。
残された要は十五畳くらいはありそうなリビングで一人夜景を見ながらぽかんと立ち尽くしている。
このマンションに住んでいて、医者というステータスを持っていて、神谷の容姿では女性にもてないわけがない。
多少性格に難があっても。
要はなんとなくそれを肌で実感してしまった。
神谷は平均より少し高めの身長で足も長く頑丈そうな作りの体躯をしている。
顔立ちは綺麗なほうで、切れ長の瞳に薄い唇が少し冷たい印象を持たせるが、それがマイナスになっていない。
美形なのに男っぽいその容姿は要にとって憧れでもあった。
反対に要は年齢より少し童顔で、スタイルが良いわりに男っぽくは見られない。
小さく丸い輪郭に大きめの薄茶色の瞳とぷくっと厚めの唇が並んでいてかわいい、とは言われても
かっこいい、とは言われないのだ。
そしてこの収入の違いに住んでいる場所の違い。
要の家は小さなアパートだ。
見れば見るほど不釣合いな自分と神谷の関係を要は溜息と共に思い返した。
もとはと言えば神谷のセクハラから始まったのだが、今では要のほうがよっぽど神谷のことを
好きなんじゃないかと思うほどはまってしまっている。
とはいっても、内科の要と泌尿器・肛門科の神谷ではほとんど接点がなく、神谷がまめに要に
会いに来てくれていなければ二人の逢瀬はもっと少ないものになっているだろう。
そう考えると要は大切にされている実感が沸いてくる。
まぁ、いまだにセクハラされ続け、意地悪な言葉に翻弄させられていることを除けば、だが。
「・・・なんで僕、神谷先生と付き合ってるんだろ」
要は思わず肩を落として溜息をついた。
神谷貴史という人物は二人が勤める病院でも有名な変人だ。
いつも要を困らせるようなことばかりするし、発言もエッチでセクハラまがいなものが多い。
それでも神谷がちょっかいを出してこない日はどうしたんだろうかと心配になるのだから、
もうこれは恋心としか説明のしようがなかった。
好きと自覚してからはどうにも神谷の言動にドキドキしてしまいがちだ。
「・・・・ほら、コーヒー・・・要はカフェオレが好きだったな」
ふいに背から声をかけられ、要は瞳に夜景の光を映しながら大きく息を吸い込んだ。
「はい!・・・カフェオレ、好きです」
要は考え事をしていたせいか少し赤くなった頬を押さえて声の主、神谷を振り返る。
こんな些細な嗜好まで覚えておいてもらえるのはやはり少なからず嬉しいものだ。
要が振り返るとすぐ傍に神谷の顔があった。
腰をかがめてソファ用のテーブルにカップを置いているのだ。
横顔はやはり端整で要の心拍数がさらに上がってしまう。
けれど、どこかに感じる違和感。
「・・・あの、すいませんでした。今日は・・・眼鏡を壊してしまって」
神谷に促されるままにソファへ腰を下ろした要がそう呟いた。
いつも神谷はフレームレスの軽い眼鏡を着用している。
しかし今日に限ってはその眼鏡をつけていなかった。
昼に神谷が恒例のセクハラを仕掛けてきた時に要が肘をついて割ってしまったのだ。
無残にも愛用の眼鏡はフレームが曲がり、片方のレンズにヒビが入っていた。
幸い替えの眼鏡を用意してはあったがどうやらそれは少し前のものらしく度が少し合わないらしい。
そのため要は神谷が車で無事にマンションまで帰ってこれるよう、助手席を志願したのだ。
交通事故にでも合われたらたまらない、と。
そして今に至る。
キッチンに行くまでかけられていた替えの眼鏡は今はなく、裸眼でカップを持ってきたらしい。
眼鏡の姿に慣れているせいか素顔の神谷は違う人のようにも感じられて要は少しだけ気恥ずかしかった。
「別に気にしなくていい。前にオーダーした店にカルテが残ってたらしいから、すぐに同じものを作ってくれるしな」
神谷もまたソファに腰を下ろすと長い足を組んで寛ぐ。
「弁償するので、かかった金額は言ってくださいね」
まだ新米看護士である、しかも一人暮らしを始めたばかりの要にとっては痛い出費だが自分の
落ち度だからしょうがない。
けれど神谷はすぐ傍にいる要の髪に指先を伸ばしながら軽く口端を上げた。
「気にしないでいいと言っただろ?」
「でも・・・・・」
それでは気がすまない、と申し訳なさそうに告げる要の生真面目さに神谷はさらに笑みを濃くする。
そして指先で要の髪をゆっくりと撫でて思案するように視線を僅か伏せた。
「・・・・なら、眼鏡がない不自由分を要が変わりに働いてくれたほうが嬉しいんだが」
この言葉に要は大きな瞳をきょとん、と瞠らせた。
「変わりに、働く・・・?」
なんのことだかさっぱりわからない。
眼鏡のない間、眼鏡代わりにいろんなものを見ろとでも言うのだろうか。
「そう。よく見えないから、要が自分で挿れてくれるか?」
「はぁ、・・・・・ん?何を?」
一瞬納得しかけて首を傾げた要に神谷は悪魔な笑みを満面に輝かせてきっぱりと言い放つ。
「俺のペニス。セックスの時に」
瞬間、要の身体が固まった。
耳から脳に伝えられた言葉の意味はわかっても、想像が出来ない 。
いや、したくないといったほうが正しいのかもしれない。
恥ずかしがりやの要にとって、そんな行為をするという考え自体、浮かんだことはなかった。
「だっ・・・えっ・・・、ま、待ってください!そんなの恥ずかしくて・・・イヤですよ。
それに替えの眼鏡、して、すれば・・・」
さらに要の顔がかぁ、と赤くなってしまう。
セックスすること自体は否定していないような言葉尻になってしまったからだ。
別に今日はそういうつもりで神谷のマンションに来たわけではない。
「あの眼鏡は度が合わないっていっただろ?かけたまま揺さぶったらきっと酔うだろうな」
「酔うのは・・・困ります、けど・・・」
でも、だって、と歯切れ悪く抵抗を続ける要に神谷は顔を近づけた。
そして下のほうから覗き込むように唇との距離を縮めてゆく。
「・・・・・眼鏡がないのを口実に、お前を欲しがったらダメか?」
ゆっくりと触れた唇はいつもの体温より少し熱く感じ、要は困ったまま瞬きを何度もした。
「・・・ダメなんて、・・・」
言葉に詰まる要の身体を目の端で笑んだ神谷の身体が押し倒す。
たいした抵抗もないままにソファに身体を押し付けられてしまった要は意地悪く微笑む神谷から顔を背けた。
要が文句も言わずに顔を背けるのは一種の肯定と同じだ。
神谷は心の中でしてやったり、と頬を緩ませながら要のシャツのボタンに指をかける。
「ここへ来るのは初めてだったな。・・・・・そこら中に、俺の匂いがするだろ?」
長い指が器用にボタンを外してゆく。
「余計なものは何もない、”俺しかいない空間”。・・・ここに要を閉じ込めてやりたいと思う時がある」
眼鏡をかけていない神谷の薄茶色の瞳が笑みに細まった。
そしてシャツを肌蹴させると滑らかな胸の肌を掌で撫でて下股へと指先を移動させてゆく。
覆いかぶさるように首筋にキスをして、所有者の刻印を赤く残した。
「んっ・・・・!」
情欲にまみれて掠れている神谷の声は要の耳に心地良い。
神谷の指先や言葉はまるで催淫剤のように要の身体を甘く痺れさせてしまう。
「だが、そう思う反面・・・情事の跡を思い切り見せびらかしてやりたい衝動もある」
神谷はそう告げて、要の顎先を掌で掴むと上を向けさせゆっくりと深く、優しく、唇を重ねた。
この神谷の気持ちは要にもわかる部分がある。
女性にもてる神谷を見て、あまりちやほやされて欲しくない気持ちと、誇らしい気持ちと、
両方複雑に浮かんでくるからだ。
要はおずおずとした動作ながらも神谷の首筋に自分の両腕を絡めた。
「・・・・っ、ん・・・・ん」
くちゅ、くちゅっと水音を立てながら舌が口内を犯してくる。
重なりあった唇は何度も擦れてじん、とした刺激を脳に送り、絡み合う舌先の動きひとつで
腰が蕩けるほどに感じてしまう。
神谷は何度もキスを繰り返しながら要のジーンズを寛がせいっきに足元まで引き摺り下ろした。
そして今度は紺色の下着だけが残され、シャツ一枚がひっかかっただけの身体に唇が
這い降りて刻印を残してゆく。
その度に要は痛いと悲鳴を上げそうになったが神谷が下着越しに要のペニスに触れたせいで
嬌声へと変わってしまう。
「ぁっ・・・!!・・・ん、んっ・・・ふ、ァんっ!」
下着越しに焦らされるように何度も何度もゆっくりと愛撫されてたまりかねたように
要の指先が神谷の髪を梳くようにかきわけた。
その無意識でやる誘うような仕草に、神谷は息を飲み込んで人差し指を差し込んでネクタイを緩ませる。
「かわいい、要。せっかく明るいのにじっくり見れないのが・・・残念だ」
耳元で囁きながら下着の中に指を入れてみると、要の肉棒は唇や首筋、胸に注いだキスの雨に奮え勃っていた。
いつもの要ならば電気をつけたまま行為をするというのを嫌っていただろう。
けれど今日はいつもとは違う、眼鏡のない神谷が相手だ。
そんな神谷を気遣ってか、眼鏡がないということで大胆になっているのか、そのどちらもか。
理由は明確ではないが、要は電気を消さずにしてもいい、と心の片隅で思った。
「見なくて・・・いいです」
「何故だ?好きな相手が身悶える姿が見たいと思うのは当然だろう?」
くっく、と喉奥で意地悪く笑う相手の声が聞こえる。
それを要はくすぐったくも受け止めながら唇を尖らせた。
「は、恥ずかしいんですってば・・・!」
文句を告げる要に神谷は再び愛撫を開始する。
指先は握った要のペニスを摩擦し、唇は胸の尖りに吸い付いて甘い果実を舌先で擽った。
ぴくん、ぴくん、と予想通りに小刻みな反応を見せる要を見下ろしながら神谷の指はさらに強さを増してゆく。
「やっ、ぁっ、あ、あ、あ、っ・・・・汚れ、ますって・・・!」
布一枚を通しているのに感じすぎるほど自分の性感帯を弄られて要の先端からじわり、と
体液が染み出してきた。
そんな湿りを指の腹で感じると神谷は舌先で転がしていた乳首をねっとりと嬲るように押しつぶす。
「洗えばいい」
「そういう問題じゃ・・・ぁんっ!!」
ぷっくりと腫れた胸の尖りがこりこりと堅く反り返り、右胸ばかりを集中的に愛撫されて
左胸が物欲しそうにじんと痺れた。
神谷の指の淫らさはエスカレートし、遠慮を知らぬように下着の中へと侵入してゆく。
そして指の節が紺色の下着を押し上げると糸を引く液体を指になじませるために先端を親指で押さえた。
「ァう・・・っ、く、んっ・・・はぁ、は・・・っあ」
指紋のざらついた感触が敏感な亀頭に絡みつき、淫猥な音を立たせながらねっとりと体液を絞ってゆく。
神谷はそんな要の先走りをくちゅくちゅと指に触れさせては引き、触れさせては引き、と嬲り弄んだ。
それがまた淫らな性交を浮き彫りにさせて要は恥辱に顔を染める。
「要のペニス、もうぐしょぐしょだな」
笑いながら告げると、神谷はコーヒーミルクのポーションをふたつ、テーブルから取った。
ぱきっと音を立てて蓋を捲ると真っ白なポーションが揺れて垣間見える。
「手、出して?」
神谷が耳元でそっと囁いた。
何をしたいのか理解できぬまま、要は神谷の方へ手を差し出す。
すると神谷は蓋を開いたポーションを要の指先へつぅ、と落とすように垂らした。
「・・・っ、・・・」
熱く火照った体温を冷やすように冷たい感触が指先を伝ってゆく。
二個目のポーションも指先に垂らすと、神谷は下着を脱がせてから要の手をゆっくり秘部へと導いた。
「え、なにっ・・・・?」
驚く要に神谷の不遜な笑みが返される。
「俺は眼鏡がなくてよく見えないから、自分で受ける準備をしてくれ」
「じゅ、んび・・・って・・・」
要の耳が羞恥にかぁ、と赤く染まった。
自分の尻穴に指を入れて異物に慣らせ、と言われたのだ。
滑りをよくするために垂らされた白いミルクのポーションはすでに人肌に温まっている。
今指を挿れたとしても冷たさに嫌悪感を覚えることなく挿ってしまうだろう。
「・・・・愛してるから、セックスしたい。・・・要」
そう告げながら神谷は要の太股にわざとらしく腰を寄せた。
とん、と触れた股間の合間の膨らみが神谷の興奮をダイレクトに伝え、要はさらに動揺してしまう。
しかし同時に神谷が自分に欲情してくれていると思うと心内は嬉しくなった。
要はこくん、と喉で息を飲み込むとソファに寝そべる足を少しだけ開きその中心にある蕾へ指を宛がう。
「・・・・・・んっ、・・・ぅ・・ふ・・・・」
入り口にミルクの絡まる指を触れさせると流動的な液体は肌にひっつき、ひゅっと
吸い込まれるように指先までをも吸ってくる。
今まで要はさんざん神谷に弄られたことはあっても、自分一人で菊門に指を挿入したことなどなかった。
だがやり方だけはよくわかっている。
それだけ何度も繰り返し神谷に悪戯され続けてきたのだ。
まだ要が恋愛という自分の気持ちに気付く前から、何度も。
「ぁ・・・・ん、んっ・・・・・」
出来るだけ声を抑えながらやりすごそうとする要だが、指の先端を蕾の中へ押し込むと
否応がなにも鼻先から吐息が漏れてしまう。
綺麗に切られた爪は引っかかることなく丸みを帯びた指先が蕾に吸い込まれるままに
ぐぐっと奥まで飲み込まれた。
神谷は自分のズボンのベルトを引き抜き、前を寛がせながら視線で要を犯してゆく。
「どれくらい入った?指の節まで?それとももう、全部飲み込んでしまったか?」
「やっ・・・言わないで、くださ・・・っ」
眼鏡を外したその両目がぼんやりとした輪郭しか捉えないと分かっていても、
自分で開いた両足の間を見つめられると身体が熱くなってしまう。
指はゆっくりと根本まで咥え込まれていった。
神谷の指よりも細い要の指はポーションの潤いに支えられながら奥に到達すると、
今度は肉の流れに逆らうように入り口へ引き戻されてゆく。
「あ、ぁ・・・・はぁ、んっ・・・・」
恐る恐るやっているせいで余計に過敏な反応を見せてしまう要を見下ろして神谷はさらに
股間に熱が溜まるのを感じた。
「早く・・・・要の中へ挿入りたい・・・」
期待に満ちた熱っぽい声音で囁かれて、要の乳首がぴん、と堅くしこる。
早く繋がりたいのは要も同じだった。
だからこそ、要は恥ずかしさを耐えてくちゅくちゅと指を奥へ、手前へ、と往復させる。
それに合わせるように神谷が今度は左手で自分の性器を、右手で要の性器を手淫しだした。
「ぃっ・・・ぁ、んあっ・・・!ァんっ、んっ・・・・!!」
ペニスを扱かれてびくんっと爪先が丸まり、要は身を縮めながら呼吸を乱す。
ポーションをまとった指先がもう一本、秘部に宛がわれそこを広げるように押し入っていった。
全身を桃色に染め上げながら神谷を受け入れるために自らを犯す扇情的な様子が
夜景を透かすガラス窓に映る。
神谷はくすりと笑みを落として舌先で唇を濡らした。
「もういいか?・・・痛くするかもしれないが、要を突き上げて揺さぶりたい・・・
要を、お前を快楽の海に沈めてやる」
はぁ、と呼吸を漏らして神谷の掌が要の尻肉を包みきゅっと揉むように動いてくる。
「ぁあっ!!・・・・ん、ん、神谷・・・せ、んせ・・・」
その動作が要の秘部を犯す指を押して要は思わず喘いでしまった。
身体が震える。
間にレンズのない視線が気恥ずかしくて快感を煽る。
要は股間の間から指を引き抜くと了承の意で小さく頷いた。
「・・・・・かわいい、要」
ちゅ、っとこめかみにキスを落とすと神谷は体を起こしてソファに座りなおした。
そして力の抜けた要の両脇に手を挟んで抱き起こし、自分の腰を跨ぐように両膝をソファへつけさせる。
「俺のペニスを、要のエッチで感じる場所に添えて、座るんだ」
ここに、と言葉を添えて指先が要の尻肉を滑った。
その感触がぶるりと背筋を奮わせたが、要は俯きながら神谷の首に両腕を巻きつかせる。
「・・・・目、つぶって・・・ください」
「どうせ見えやしない」
「でも・・・」
「早く。もう待てない」
業を煮やした神谷は要の腰を掴むと少し下へと落とさせた。
しかし秘部には当たらず神谷のペニスは要の内股を滑り、そこを透明な液体が濡らすだけに終わる。
「・・・っ!・・・、ん・・・意地悪・・・っ」
要は太股に触れた熱く堅い屹立に唇を震わせながら呟いた。
そして片手は首に置いたまま、もう一方を神谷のペニスに添えさせ蕾の入り口に
触れさせるとゆっくり腰を下ろしてゆく。
ぷちゅ、っと泡だった音が響くと先端が要の肉に埋まり、神谷は眉根を寄せながらふぅ、と吐息を吐き出した。
入り口は狭く細く、そこを過ぎてしまえば抽挿は簡単だ。
神谷は要が全てを飲み込ませるのを待った。
「ぁ、ぁ・・・・ん、くっ・・・ぁ」
異物が侵入してくる生理的な苦しさに耐えながら要は自身の重みで肉を穿ってゆく。
神谷のペニスは大きかったが、毎日されているセクハラがその侵入を容易くなるように手助けしてくれた。
「・・・あっ、あっ・・・・センセ、神谷・・・先生、あ、あふ・・・ァんぁっ!」
途中まで屹立を蕾に埋めたところで、要の背がのたうつように反り返る。
神谷が腰をぐんっと打ち付けたからだ。
その動きで神谷の肉棒は要の秘部を貪り食らい、隙間がないほどぴっちりと結合して全てが埋まっていた。
「ぁうっ、ん・・・・ん、はぁ、ハァ・・・ぁん」
要がいやいやをするように首を左右に振る。
下半身に集中する神経を拡散させたいがためだ。
しかし神谷はそれをすべて見透かしているかのように、首を振っている要の喉に
食らいつきながら腰を前後に揺さぶった。
他人の性器がすべて納まった肛門は揺さぶられてもそれを離す様子を見せず、
神谷の陰毛が要の内股を擦ってじゃりっと音を立てる。
それがまた耳を犯して要は目元を赤く染め上げた。
「やぁ、まだ・・・揺すんな・・・っで・・・」
「・・・わがままだな、要は」
くっくと喉奥で意地悪な笑いが漏れると神谷は腰を動かすのをやめて、その代わりに
要の男根を掌でぎゅっと握る。
今度は要の開いた両膝がぶるぶるっと大きく震えた。
「あああっ!・・・ん、ぁ、ゃ、あぅっ・・・!」
先端のくびれた部分を親指の腹で刺激されればびりびりと電気が走るような甘い痺れが
全身を快楽へ導いてゆく。
呼吸が上手く出来なくなってきた要が顎を仰け反らせて息を吸うと、
そこへ神谷の唇が吸い付いてキスをしてきた。
くちゅ、ぐちゅ、っと舌と舌の唾液が絡み合う音が響いて、吐息すらも吐き出せないほど
口全体を吸われながら今度は下股がぐちゅぐちゅと水音を立てる。
「ん、ん、ん・・・・」
我慢できず要が鼻先で抗議を漏らすと神谷は口付けたまま要の左膝の裏へ手をやって腰を抱き、
強めに上下に揺さぶった。
「んんっ・・・!!!」
眩暈が起きるほどの快楽を引き起こされて要の目が見開かれる。
座位という格好のせいか、重みでいつもより少しだけ深く繋がった性交は奥の奥までペニスを誘導してしまう。
貫かれたまま上下に揺さぶられればその最奥を先端が濡らし、くびれが内壁を抉るように引っ掻いた。
「あ、あ、あ、あ、あっ・・・・」
漸く唇が離されると今度は小刻みに何度も何度も突き立てられる。
ベッドで寝ながらセックスするよりも体力を使うのか、神谷の息が上がるのも早い。
はぁ、はぁ、と二人の呼吸は乱れながら時折重なり、胸をぺったりと寄せ合いながら荒淫を貪った。
「ぁう!・・・あ、あはぁ・・・んアっ・・・!ァアッ!ぁっ」
今まで要のペニスをくにくにと刺激していた神谷の片手が右足の膝を通り腰に触れると、
両腕で要の体重を支えるように上へ持ち上げる。
ずるり、とそそり立った肉棒が蕾からはみ出してくびれの部分でかろうじて入り口に引っかかった。
今まで太い性器で押し開かれていた内壁がじょじょに狭まってくると最奥に
にじみ出ていた神谷の先走りが内部をつぅ、と伝い落ちてくる。
その感触に要は耐えられず身体を快感に捩りながら身悶えた。
「ぁぁっ・・・ん、んっ・・・ゃ、すごいっ・・・・!」
身の内から震えるような悦楽に要の蕾がきゅっと収縮する。
その瞬間を神谷は見逃さず、狭まった部分をわざと押し開くように一気に腰を突いて
ペニスを奥まで押し込んだ。
「あああっ、ぁんっ、ぁっ・・・!」
要はたまらず神谷の背に爪を立てる。
ぐじゅっと音を立てて挿入されたペニスが立て続けに律動を開始して早い動きで何度も
出たり入ったりを繰り返す。
「ァやぁ、ああっ・・・あ、ァンッ・・・!」
要のペニスの割れ目から先走りがぷちゅ、っと噴出すと肉茎を伝い蕾を濡らし、
神谷の体液と交じり合った。
それがまた潤滑剤となってさらに神谷の動きが早まってゆく。
コーヒーミルクはカウパー液で薄まったが、ソファに落ちると丸いシミを作った。
「ん・・・っ、要・・・・出すぞ、奥に・・・っ」
「ひぃあっ・・・ぁう、ああっ・・・!」
殊更深く、強く穿たれて、要がせせりあがる射精感に喘ぐ。
神谷はそれを増徴させるように要の屹立に掌を絡めて絞り取るように握り締めて擦った。
「やっ、ぁっ・・・出るぅ・・・あっ、んぁぁあっ・・・あああっ、あ、あ、あっ!」
要の爪先が小刻みに揺れ、一瞬止まったかと思うと鈴口からびゅるっと白濁の精液が飛び出してくる。
それは要の腹と神谷の腹を濡らし尚も止まらぬ様子で性器を握る神谷の手をべっとりと濡らした。
「っ・・・・く!」
同時に神谷も眉根を寄せて息を詰め、要の腰を掴んだほうの手に力が入り最奥へ灼熱の奔流を吐き出す。
ごぷっと噴出した種液が要の内壁を広げて肉茎を伝い入り口のほうまで流れて熱く感じさせた。
全てを吐き出すために神谷が続けて二・三度腰を打ち付けると奥に溜まった精液が
ぐじゅぐじゅっと音を立てて染み出してくる。
「・・・はぁ・・・、要」
感極まってぐったりと寄りかかってきた要の目元に神谷の唇が触れる。
柔らかな感触はちゅっと音をたててキスをするとすぐに離れ、そのまますりっと僅かに頬擦りしてきた。
要は目を細めながらその動作を受ける。
充実した気持ちが体中を満たしてゆくのを感じるのだ。
「なかなか燃えたな。次も要に乗ってもらおうか?」
まだまどろみの中にいる要に神谷が笑いを含んだ声をかける。
要は上気したままの頬を左右に緩く振って神谷の誘いを断る仕草を見せた。
すると神谷は意地の悪い笑みを浮かべて要の顔を覗き込み、目を細めてその身体を抱きしめてくる。
「じゃあ、イエスと言うまで今夜は離さないことにしよう。幸いここには色々なモノが
揃っているし・・・そうだ、尿道口に綿棒を入れてやろう。なかなか快感らしいしな」
「にょ・・・っ!」
だんだんとぼんやりと手放しかけていた意識を浮上させてきた要がぎょっと目を開いて顔を赤くした。
「そ、そんなの、眼鏡ないのに出来ないじゃないですか!」
べぇ、と舌を出しながら神谷のほうを睨みつけたが、神谷はふふん、と鼻で笑って返してくる。
「眼鏡はなくてもコンタクトはある」
「コ・・・・」
まさか、と要は息を飲んだ。
すると神谷は全てを掌握した顔でにっこりと笑ったまま頷きを返してくる。
端整な顔立ちがこんなときばかりは仇だ。
要は顔色を失くしながら口をぱくつかせた。
「じゃ、じゃ・・・今も・・・」
「当然だろ?」
要の顔が一気に赤い色を取り戻し、神谷の胸を押しのけようと片手が肩に添えられる。
「う、・・・・・嘘吐きー!見えないって、言ったのに・・・!」
「まぁ、嘘も方便だ。それにこんなに至近距離ならぜんぜん見えないなんてことはないだろ?」
あまりに素直に自分を信じた要を見つめながら神谷の口端が笑った。
押しのける腕に逆らって身体を寄せると神谷は要の腰を揺するように上下運動させる。
まだ内部に穿たれたままのペニスが摩擦にぴくん、と亀頭を腫らせた。
「だからって・・・わっ、ぁ・・・!ゆ、揺さぶらないでくださいっ・・・!」
身の内に再び大きくなり始めた神谷の男根を感じて要がさらに攻めるように睨み返す。
しかし神谷はそんな要の様子を楽しげに眺めながら頬にキスを落とし、鼻先を擦れ合わせた。
「じゃあ、今度は俺がいろいろ奉仕してやろう。ベッドで、な?」
「い、りませんっ・・・!」
「だが、この場所だとビデオ撮影しているがいいか?」
ふふふ、と笑う神谷に要の動きが止まる。
まさかそんなはずは、とも思うが用意周到な神谷のことだ、ビデオくらい撮りかねない。
「積極的な要もなかなかよかったが、今度は泣いて恥ずかしがる姿ってのもいいな。
・・・ああ、DVD録画だから時間はたっぷりかけられるぞ」
逃がさない、といった様子で迫ってくる恋人に要の目尻が涙で潤んだ。
「わぁぁ、もうっ・・・・だからイヤって言ったのにーっ!」
叫び声が夜景の見える高級マンションの一室に響渡る。
しかし要はこの後も神谷のされるがままに腰が立たなくなるまでエッチさせられるのだった。
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