「花盗人」
信長は豪華な褥の中で小さく身じろぎをした。
何も身につけずに転寝していたせいか、少々寒さを感じたらしい。
それをすぐ横で見つめていた藤吉郎は自分より少し背の高い信長の肩を冷やさぬよう、
かけ布団で覆った。
時は1558年、11月。
農民出身であった木下藤吉郎が尾張の織田家・・・つまり、信長に仕えることとなってから
約4年という歳月が流れている。
藤吉郎はこの年、丹羽郡郡村の脇村である加納馬場で15貫文の給地を賜った。
そして同じ年、以前に信長の小姓を務めていた前田利家が結婚した。
信長は前田利家がいなくなった寂しさを藤吉郎で埋めようとしたのだ。
もともと賢く信長の目を引いていた藤吉郎はまだ22歳で、24歳の信長に求められるだけ
応えることが出来た。
それ故の給地が加納馬場だ。
元来、主君の相手をすべき小姓たちの中には、この藤吉郎の大抜擢に文句を言う者が多かった。
それに加え藤吉郎は農家の出身だ。
信長の側近たちもこの優遇を評価する者はいなかった。
しかし信長は藤吉郎を寵愛した。
理由はひとつ、誰かを抱くよりも誰かに抱かれたかったのだ。
実の母と弟に家督争いで命を狙われ、側近ですらも心を許すこと叶わなかった信長の願い。
誰かの優しい温もりが欲しいということ。
藤吉郎は田舎出身とあってか、素朴で純朴で、信長が欲するものを容易に手にしていた。
顔がいいわけではなく、身分があるわけでもないのに、藤吉郎は皆の人気者だった。
信長はそんな藤吉郎に淡い憧れを抱いたのかもしれない。
そして同時に、その腕に抱かれてつかの間の安息を求めたいと感じたのかもしれない。
理由は確信したものではないが、信長は藤吉郎に自分を抱くことを命じた。
また、その命に従うわけでもなく藤吉郎は信長を抱いた。
もともと藤吉郎は戦の天才であるこの主君を溺愛していたのだ。
断る理由などどこにもない。
むしろ願ったり叶ったりなことであった。
だから藤吉郎は信長のために自分が出来ることは何でもしてあげたいと、
閨の中でも一心不乱に信長を攻め立てた。
さすがの信長も藤吉郎の若い精力には叶わなかったのか、時折降参しては
褥の中で甘い睦言を交わした。
そしてだんだんと信長の藤吉郎贔屓は深くなっていったのだ。
そんな風に藤吉郎が昔のことを思い出していると、信長の切れ長の瞳が開いて
ゆっくりと彼を振り返ってきた。
「・・・・・・信長様、目をお覚ましになりましたか?」
自分が起こしてしまったのではないかと苦笑を漏らす藤吉郎に信長は腕を伸ばす。
そしてその肩を抱き寄せると藤吉郎の薄い唇に自らの唇を重ねて口を吸った。
藤吉郎は主君のそんな仕草に少なからず鼓動を早めてしまう。
「大事ない。自然と目が覚めただけだ」
まるで猫のように目を細めて笑う信長の様子は行灯の影で揺らめいていた。
静かな時間が二人の間をゆっくりと流れてゆく。
傍付きの小姓も下がらせたせいか、物音ひとつ耳には入ってこない。
こんな緩やかな時の流れの中に身を沈めているとまるで主君と自分が恋仲なのではないかと
錯覚すらしてしまいそうになる。
藤吉郎は信長の身体を腕に収めるようにそっと引き寄せてみた。
「・・・・・・・・・・殿・・・!!」
そこへ突如無粋な声が響いてくる。
藤吉郎は浸っていた気分を一気に覚まされて目を見開いた。
見れば信長も何事かと怪訝そうに眉根を寄せている。
声は廊下の先の階下から聞こえてきているようだった。
「・・・・う殿・・・・・・・・・藤吉郎殿・・・!おられるのであろう!?」
どすどすと足音を響かせながら階段を登ってくる声の主はどうやら柴田勝家のようだ。
藤吉郎は自分を呼ぶ主君の古参の臣下を出迎えるべく全裸の身体に軽く内衣を羽織る。
「何用ですかな?」
障子越しに少し声を低くして答えた。
信長の寝所から低い声をかけることによって、主君と自分が現在出れる様子ではないことを
示唆したのだ。
けれどそんなことでは勝家の勢いは止まらなかった。
「失礼する!・・・・上様、謁見願いたく。許しをいただければ
この障子を開けさせていただきとうございまする」
藤吉郎の答えを無視して障子前で片膝をつく。
勝家の毒々しい物言いに信長は溜息をひとつつき、布団の中から上半身だけを這い出させて起こした。
「よい、許す。開けよ」
「・・・信長様・・・!」
信長の許しに驚いたのは藤吉郎だった。
今まさに情交を交わした後の寝姿を自分の上司に見られるというのはばつの悪いものだ。
しかし信長の許しを得た勝家は有無を言わさず障子を開け、
そして中へ身体を押し込むと後ろ手にまた障子を閉めた。
「上様、もう我慢が出来ませぬ。このような下賎の者を格別に扱うなどと、他の臣下に
示しがつきませぬ!」
勝家は豪胆な容姿でぎらりと藤吉郎を睨んできた。
当の藤吉郎はやはりそのことか、と肩を竦めてみせるも物言いはしない。
自分が農家出身で信長の贔屓にあやかる様な出自ではないことを理解しているからだ。
「・・・・・そのことは他の奴らにもとうとうと言われておる。したがわしがそうしたいのだ」
裸の上半身を露にしたまま若い信長は声を紡ぐ。
寝乱れた髪が幾重に零れている姿が色っぽく、気だるい雰囲気もまたなにやら婀娜めいて見えた。
「・・・・・上様がなされたいと申されても、物事にはなせる事となせぬ事がありまする」
「ほう・・・この信長になせぬ事があると、そなた・・・申すのか?」
瞬間的に信長の声が低く唸るような音に変わる。
それを受けて藤吉郎はうっすらと目を細めて勝家の姿を見つめた。
信長の機嫌を損ねてしまったのだ。
勝家は良くて降格か悪くて打ち首か。
もともと勝家は信長の命でずっと弟の信行の臣下であった。
しかし一年前、信行謀反の知らせを密告してきたために勝家は特別に信長に重用されるようになった。
とはいえ、ずっと信長の傍で御身をお守りしてきた毛利などとは違い、やはり扱いは一段下がる。
そんな彼が寝所へぶしつけに押し入ってきてなお信長に説教しようというのだ。
不快を買うのは当然の事だろう。
藤吉郎は勝家の姿を憐れと思いつつ見守っていた。
「なされませぬ。織田を継いで地盤を固めなければならぬ今こそ、
古参の臣下を大事にしていただかねば困るのでございまする。
上様・・・上様のお相手が必要であらばこの勝家が致しますゆえ」
「・・・なっ・・・!」
今まで黙っていた藤吉郎が初めて声を上げた。
勝家の申し出が寝耳に水だったからだ。
それは信長も同じだったようで、目を見開いて勝家を見つめている。
「不肖ながらこの勝家、そこもとの若さだけが取り得の新参者とは違い、床の柔も豪も
知り尽くしておりまする。上様をお楽しませる術ならば事欠かぬ所存に・・・」
「失礼ながら柴田殿・・・!私めを下卑なさる御つもりならばこちらもそれ相応に
答えねばなりませぬが!」
確かに22歳の藤吉郎と比べ36歳になる勝家は経験を積んでいるだろう。
だが若さだけと笑いものにされたのであってはさすがの藤吉郎も黙っているわけにはいかない。
しかし柴田は噛み付くような藤吉郎の言葉にせせら笑うような失笑を浮かべながら
冷たい視線を返してきた。
「ほう・・・どうするというのだ?上様の加護がなければこのような場所にすら呼ばれる
こと相叶わない身分でありながら、織田家筆頭家臣である柴田家に仇名すと言うのか?」
「言わせておけばぬけぬけと・・・!信行様の愚行を御止めせねばならぬ立場でありながら、
密告という家臣にあるまじき裏切り行為で尾張に戻ってきた狸めが・・・!」
「我が主は一生涯、信長様のみ。上様の御為を思うて起こした行動をどうして責められようか!?」
「上様は私が良いとお召しになられているのだ!私を愚弄することは上様を愚弄するも同じと思え!」
「もとより、その気概が許せぬのだ!大事にしてきた上様をどこの馬の骨ともわからぬ輩に横から
かっ攫われては柴田の名が泣くわ!上様をお慕い申す心根は我が思慕のほうが上よ!」
「寝言は寝ながら言うてはどうだ!?私以上に上様を愛する者などこの世にはおらぬ!」
「・・・・・・・・・・・ぁ・・・・・」
どこまでも続きそうな口論を間近で見ていた信長が小さく欠伸を漏らした。
それを傍目に収めた二人が視線を信長へと移す。
「上様・・・!どちらをお相手に選ばれまするか!?」
「信長様、ご決断を・・・!」
今にも互いの喉元に食いつきそうな二人の様子を信長が肩を竦めて見やった。
そしてさも面倒そうに顔を障子のほうへと向けてしまう。
今、どちらを取るかなどと考えるのが億劫なのだ。
強いて言うのであればまだ夢うつつにのんびりさせて欲しかったというのが信長の本音である。
そんな様子を悟ったのかそうでないのか、藤吉郎は先手を打って信長の下半身に
被せられていた布団を剥ぎ取った。
「柴田殿、信長様と私がどれほど深く繋ごうておるのか、その目でしかと見定めよ!」
言いながらも手早く信長の左足を肩に担いで押し倒し、身体の中心部へと唇を寄せてゆく。
信長は多少目を覚まされたように表情を変えたが、行為そのものを咎める様子はない。
それに焦ったのは勝家だった。
「何を申すか!そなたこそ某の愛をその目に焼き付けるがよい!」
そして勝家も負けじと信長の胸に口を吸いつけた。
強く後が残るほど乳首をちゅう、と吸い上げてから、今度はゆっくりと勝家の舌先が
乳鈴を舐め粒を押し転がす。
その刺激は時に強烈で、時に残り火のようにじんわりと信長の中の雄を目覚めさせていった。
「・・・・っ、ふ・・・」
信長の顎が快感に仰け反る。
と同時に、藤吉郎が咥えていた信長の性器に変化が生じた。
「・・・・・・、・・・・!」
喉奥に向かって僅かに首を擡げ始めたのだ。
藤吉郎は勝家の愛撫に反応を見せたことに少なからず悋気を覚えながらも唇を窄めて
亀頭を咥えなおす。
それから唇で摩擦するように信長の男根を根本近くまで一気に口内へ飲み込んだ。
「・・・っう・・・!ぁ・・・!」
信長と何度も肌を重ねてきた藤吉郎だからこそわかる、悦楽の部位。
そこを丹念に舌裏で嘗め回せば信長の勃起が堅さを増した。
「ぁ、はぁ・・・・藤吉郎・・・、勝家・・・ッ」
褥の中、全裸のまま男二人に圧し掛かられた信長の瞳が欲望に濡れ始める。
その淫靡な表情は仄かな光の中でなお一層に輝き、二人に生唾を飲み込ませた。
勝家の唇が上半身をなめくじのようにねっとりと這い回ると藤吉郎の掌が玉袋を握って揉んでくる。
なんとも甘美な刺激が信長の脳内を蕩けさせ、肩に担がれた左足の爪先がぴくん、ぴくんと丸まった。
「お・・・・ぉ、・・・気持ちが善いぞ、二人とも・・・!」
この寵愛の争奪戦もまるで子供が遊ぶのを見ているかのように愉しげに信長は口端を上げる。
しつこいくらいに勝家の舌先に弄ばれた胸の突起は赤く充血して快感の中にも
微量な痛みを感じさせた。
だがそれもまた善い刺激になっているのか、信長の屹立は天を破らんばかりに仰け反っている。
その上っ面の皮膚を摩擦されながら先端の割れ目をちゅうちゅう、と吸われれば
思わず達してしまいそうにもなった。
信長が二人から織り成される悦楽に浸っていると、ふいに先ほどまで喧嘩していた
藤吉郎と勝家が視線を合わせて互いの意思に頷きを見せる。
「・・・・・・・・」
「・・・・・・了解致した」
そして目配せでタイミングを計ると信長の腰に片手づつを添え、主君の身体を二つ折りに
させるように曲げさせた。
おかげで信長の足首は彼の耳横の布団に押し付けられてしまっている。
少し苦しいこの体勢は興奮に濁っていた信長の思考を急速にろ過させた。
「な、・・・・なに・・・を」
はぁ、と大きく息を吸い込む信長の顔をちらりと目の端で捕らえながら、
二人は左右から信長の股間へ顔を寄せる。
そして通常時よりも熱くなった舌先で信長の菊門をこじ開けたのだ。
右と、左から、同時に縮められた舌の先端がぐり、と皮膚を割って入ってくる。
「・・・っ、ぁあ・・・!」
たまらず信長は狂喜の声を上げた。
ぬとぬととした彼らの舌の感触は我先にと奥部を探るべく固い蕾を濡らし、
自在に動きながら割ってくる。
柔らかな舌の肉は信長が臀筋を締めればすぐに中から追いやられてしまったが、
柔らかいからこそ柔軟に絡んでくる淫らさに信長は顔を固い枕に押し当てながら
びくびくと男根を震えさせた。
「ぁ、・・・・ぅ、んっ・・・・く!っ・・・」
全く予想が出来ない、二つの舌先。
それが怒涛のように信長を攻め立ててきて、濡れた蕾は淫乱にしどけなく口を開いてゆく。
ひくつく菊門に誘われるように深部へと入り込んできた舌肉はそれ同士も擦りあって愛撫し合った。
はぁはぁと、どちらともなく鼻先から欲情した荒い鼻息が漏れ出してくる。
信長は何度も秘部をひくつかせながらついには懇願するように二人に命を出した。
「・・・・っ、も、早く・・・・挿れるが、よい・・・・っ!」
促す代わりに二人が見つめる視線の先の蕾をきゅうぅ、と甘く締め付けてみせる。
すると藤吉郎も勝家も、矢継ぎ早に着衣を乱して己の勃起を空気に晒した。
「・・・・・ほう、藤吉郎殿は体躯に似合わずなかなかの逸品をお持ちだ。
・・・太く、鋭角に勃たっておるわ」
「柴田殿の持ち物も・・・・・使い込まれた黒々しい色合いが素晴らしい。
それに見たこともないほど長く」
二人はそれぞれの持ち物をしげしげと見つめあい、思わず本音で批評を漏らした。
信長を巡る敵同士であるというのに互いの逸物には興味があるらしい。
そしてそれは双方の想像を超えて絶品であった。
しかしこの品評会に不満を持つ者が一人いる。
ほったらかしにされている主君だ。
信長は艶めいた溜息を漏らすと両手を秘部に宛がい、左右へ広げながら二人分の唾液を
奥から押し出した。
にちゅ、っと淫猥な水音が二人の耳に届くや否や、信長の痴態に目が釘付けになってしまう。
「・・・・二人とも、何をしておる。・・・早く満足させぬか」
言いながらもさらに広げられた蕾がだらりと透明な涎を垂らし、信長の内股を濡らしていった。
その様子を見た二人はまたもやごくりと生唾を飲み込んでしまう。
「し、しかし信長様・・・どちらを先にお召しに・・・」
逸る気持ちを抑えながら藤吉郎が問うと、信長は唇を笑ませながらふふん、と鼻を鳴らした。
「一度期に両方来るがよい。・・・・・ああ、このままでは難儀か」
ふと何かを悟った様子の信長が寝そべっていた体を起こして代わりに藤吉郎を寝かせる。
そして固さのある枕を取ると藤吉郎の腰の下に挟んで角度を調整した。
「・・・・・・?」
藤吉郎は肩を布団に押し付け、腰を浮かせた格好で寝そべっている。
そこへ信長が跨るように乗っかってゆっくりと藤吉郎の男根を尻肉の間へ収めていった。
「ぃ・・・・っ、・・・・ふ、ぅ・・・・・」
先端の太い部分をゆるゆると飲み込むと、信長の秘部はふいにぐっと全ての肉幹を飲み込んだ。
その刺激に今度は藤吉郎がうっと顔を顰め快感に耐える。
「うむ・・・・・ぁ、はぁ・・・・、よし・・・・挿れていいぞ、勝家」
信長は両手を藤吉郎の胸元に置いてそこを軸に何度か肉棒を抜き差しし、
淫壷が慣れてきたところで勝家を誘った。
藤吉郎のものが半分ほど突き刺さった状態で前のめりになった信長の下半身が知らず
僅かな余裕を見せる。
勝家は言われるがままにその僅かな隙間に己の屹立を押し当てた。
既に完勃ちしていた勝家の肉棒は先端から先走りを発していてぬるぬると秘部からそがれてしまう。
しかし鼻息をひとつ吹いて、勝家は両手で信長の腰を押さえつけるとその隙間を狙って
無理矢理に己を割り込ませた。
「ぁ!・・・ぁ、ぁ、ぁ・・・・・っ、ぐう・・・・っ・・・」
思わず信長の声が小刻みに悲鳴を上げる。
その声に侵攻を止めようとした勝家の手の上に自分の掌を乗せ、更に奥へ穿つように示唆した。
勝家は信長を背から犯すような格好で膝立ちのままぐっ、ぐっ、と腰を打ち突けてみる。
「・・・・・・・・・・・・はぁ・・・・・・・ぁ、ぁ・・・・・・・」
長い呼吸の後、信長の身体は二人分の欲望を受け止めるように力が抜けていった。
先端が入ってしまうとそうそう容易には抜けなくなったのか、僅かに腰を引いても
くん、とくびれで止まる。
勝家がそれを発見すると同時に信長の下にいる藤吉郎が腰を揺さぶってきた。
「ぁ、んっ!・・・・ぁ、はぁ・・・・・ん、んっ・・・ぁ」
その動きに合わせてとめどなく信長の口から喘ぎ声が漏れてくる。
すると勝家もまるで理性を失ったかのように信長の奥へ奥へと男根を突き入れてきた。
二つの肉棒が信長の内壁を擦り合うように交互に行き交ってゆく。
痛いけれどむずがゆいほどの快感が信長の背を何度も走り抜けていって、脳裏を大破させた。
「ぁぁあ・・・・・善い、善い・・・・っ、っ!」
信長の全身が勝家と藤吉郎の動きに翻弄されてめまぐるしく蠢く。
ぱんっ、ぱんっ、と乾いた肉を打つ音が響き、畳に汗の染みが幾重にも飛び散った。
「く、ぅ・・・・上様・・・!」
勝家が眉根を寄せながら唸るような声音を上げる。
すると藤吉郎もうわごとのように信長の名を何度も何度も口にした。
絡み合う肉と肉は擦れ合って真っ赤に充血し、貪欲なまでの肉穴は男根を二本も
咥えこんだまま痙攣を起こす。
その刺激がまた男たちの欲望に火をつけ理性を食い散らかしていった。
「ぁ、ぁ・・・はぁ、んぁっ!・・・ぁ、んっ、はっ、ぁ」
一定にはならない荒い呼吸が淫らに空気を染め上げてゆく。
信長の性器からは種汁がじわりじわりと滲み零れてきていた。
犯されるという行為自体がどうしようもなく身体を興奮させ、絶頂へと導いてゆく。
それは愛される喜びとはまた違った快感であった。
「ぁぁあっ、んぅ・・・・ぁ、んっ、んっ・・・・・・・くっ、ぁ、で・・るぅ・・・」
信長が我慢ならぬと言わんばかりに激しく首を左右に振る。
すると示し合わせたわけでもないのに藤吉郎と勝家の息が合わさって三人同時に腰を捏ね繰り回した。
「ぁう、ぁうっ・・・・!」
寝転がる藤吉郎とその上に跨る信長、そして立ち膝で後ろから信長を犯す勝家。
「くっ・・・・・・・・出すぞっ・・・・ぁあ!」
荒い呼吸は極まり、藤吉郎が喉元に、勝家が項へと口吸いをした瞬間、三人は同時に果てた。
ごぷっと信長の内部に二人分の精液が充満してゆく。
受け止めきれなかった種は信長の内股を濡らすばかりか、藤吉郎の腰をも潤した。
「・・・・・・・の、信長様・・・どちらが善かったとお思いになられまするか?」
「若造よりは年の功でございまするな・・・う、上様・・・」
はぁ、はぁ、と荒い息を繰り返しながら快感に酔っていた三人だが、ふいに論争を思い出す。
信長は余韻に浸っていた雰囲気をいきなりぶち壊され、少なからずむっとした。
しかしいつに無く真剣に顔を摺り寄らせてくる二人に仕方なさそうに溜息をついて
乱れた髪をかきあげた。
「・・・・・・・・・そなたたち、意外と気が合っているのではないのか?」
言いながら勝家、藤吉郎双方の萎えた男根を尻穴から抜かせる。
激しい性交のせいで気だるくなった身体を横へとずらしながら、
信長はまだ身の内の熱が収まっていないことに気づいた。
「何を申しまする!上様!」
「そう、すれ違いこそすれ、この男と気が合うことはありませぬ!」
「まぁ、そう奮起するでない。・・・・・それにどちらと選ぶ気などないぞ?」
フフフ、と意味ありげに笑いを漏らす信長を二人が怪訝に見つめる。
すると信長は軽く自分の尻に手をあて、どちらのものかわからぬ精液を指先で掬って見せた。
「この信長、お主ら二人まとめて懐に納めるくらいの度量は持ち合わせているつもりだ。
どちらも選ばぬ。・・・・・・・・・どう、どちらも信長に仕え、そして奉仕すればよい。
どちらかが手を抜けばそこでこの勝敗は決まる。・・・・・フフ、二兎追うものは
一兎をも得ずと言うが、どちらも手に入れてこその天下人よ・・・なぁ?」
指から白濁の液体がぽたぽたと零れ、指に残った分を赤い舌がぺろりと掬う。
どちらも手に入れるという回答を出した信長に藤吉郎も勝家も内心で舌を巻いた。
「まずは今宵、更に愉しませてくれた奴に褒美を取らせようか」
そうして笑う妖艶な絶対君主は唖然とする部下を再び褥へと誘い出す。
夜はまだ、更け始めたばかりだ。
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